日銀短観

私たち個人投資家であれ、政府も民間のエコノミストも、今後日本経済の景気が良くなるのか、悪くなるのかを判断したいのは当たり前ことです。

通常は既に発表されている経済データを使って、それを判断をしなければなりません。

しかし、経済データが作成され発表されるまでには、早くても2、3ヵ月はかかる場合が多いため、かなりのタイムラグが生じるため景気判断は数ヵ月遅れにならざるをえないです。

このため景気判断はどうしも現状の後追いになりがちです。

判断が遅れれば、政府や日銀とって景気対策が遅れて、日本経済の取り返しのつかないダメージを受けることにより、景気が悪くなる可能性も高まります。

こうした欠陥を是正するために考え出されたのが、日銀短観です。

日銀短観とは

日銀短観の正式名称は「全国企業短期経済観測調査」といいます。

統計法に基づいて日本銀行が行う統計調査であり、全国の企業動向を的確に把握し、金融政策の適切な運営に資することを目的としています。

総務省・経済産業省の「経済センサス」をベースに全国の資本金2千万円以上の民間企業(金融機関を除く)から約1万社を抽出し、事前に調査協力の承諾を得られた企業のみを調査対象としており、回答率は98%に達しています。

3、6、9、12月の四半期ごとに実施し、産業構造の変化に合わせて調査対象企業も時々変えており、企業数は増えている。

日銀短観は、ビジネスの最前線で仕事をしている企業経営者に企業の売上げ、収益、設備投資、雇用状況、資金操り、在庫状況などの現状、計画、修正状況などを直接聞いて、これらを集計して経済全体の動きを把握しようという考え方です。

世界でも類似の調査は見られないため、景気判断にとってももっとも重要な指標と言っても過言ではないのです。

このため、日銀短観をチェックすることは、投資家にとっては欠かすことができません。

また、海外のエコノミストも「TANKAN」として注視をしています。

日銀短観の判断方法

企業の業況判断指数は、(「良い」と回答した企業の割合)-(「悪い」と回答した割合)という計数を作ったもので、DI(Diffusion Index)とも表され、その水準や変化方向を時系列で比較することで、景気の現況や将来を見ます。

前回調査より数字が改善していれば景気が良くなっており、数字が悪化していれば景気は悪化していると判断し、変化率がとても重要になってきます。

特徴として、大企業、中堅企業、中小企業、さらに製造業、非製造業の2つに分かれている。企業規模、業種別などについてかなり細かに企業の景況感が判断できるようになっています。

過去の業況判断IDは景気の山、谷とほぼ一致しており、大企業製造業の業況判断DI推移をみると、景気の変動と同じ動きをしています。

たとえば、2009年3月調査では、サブプライム問題とリーマンショックによる景気悪化の影響でマイナス58と日銀短観始まって以来の最悪水準を記録しました。

日銀短観の問題点

経済が順調に成長しているときには、政府や日銀の出番は少ないが、世界経済や日本経済が不況になったり、為替レートが急速に変動したりすると、政策当局が経済の動きを慎重に監視する必要が出てできます。

特に、景気の転換点を正確に読み取り、事前にこれに備えるのは相当難しい仕事であります。

たとえば、政策当局者やエコノミストが景気判断でもっとも悩むのは、景気が踊り場にあって、近い将来ここから上に行くのか、下に行くのかの判断がつかないときです。

景気が近く踊り場から脱し、回復、上昇すると見るか、逆に悪化すると見るのか、判断が付かないことが少なくありません。

判断した結果、景気が悪くなると見通したときは金融政策などの措置を行います。

逆に、良いと判断きた場合、政策継続されます。

そのため、景気が良いときには見通しが強気に、逆に不況時には見通しが弱気になるという欠点があることに注意が必要です。

こうした特徴を知った上で「日銀短観」を読み、景気の判断をしてみてください。