この記事のタイトルを読んで、ビックリした方もいらっしゃると思います。

私たちが年金の掛け金を支払う理由は、退職後の生活保障のためで、老後を安心して過ごしていくためです。

また、保険に加入する理由は、万が一の病気、けが、死亡したときなどに備えるためです。

そんな大切な自分の資産を、自分が知らないところで資産運用をされてるいるとは思ったことがないと思います。

今回は、私たちの大切なお金が、なぜ資産運用されているのかを説明して行きたいと思います。

機関投資家の運用資金は保険や年金

日本人は投資嫌いって本当?数字から見る本当の真実! の記事で説明したとおり、私たち日本人の個人金融資産のうち、投資している割合は、約17%にとどまります。

残りは資産は現金か預貯金や年金保険です。

投資とは関係ないようにみえまが、実際のところは違うのです。

私たちの金融資産は、所有者である本人がそのつもりがなくても、年金、保険、貯金を通じて間接的に投資運用されているのです。

この仕組みを年金で説明

なぜ運用が必要なのか?

厚生労働省のサイトに掲示されていますが、公的年金は、現役世代から高齢者世代へ仕送りするという「世代間扶養」という構造になっています。

つまり、現役世代が将来受け取る年金は、その子どもや孫たちの世代が納める保険料でまかなわれることになります。

しかし、このシステムでは、急激な少子高齢化が進むと、支え手の減少から保険料収入が減り、高齢者の増加から給付が増えることになります。

そこで、最終的な保険料水準を決めて、その負担の範囲内で給付を行うことを基本に、社会経済情勢の変動に応じて、給付水準が自動的に調整される仕組みが導入されています。

年金積立金は、あらかじめ保険料の一部を給付に充てずに積み立てたものであり、年金給付に必要な収入の大部分は、保険料収入や税金によりまかなわれていますが、この年金積立金を資産運用して得られた収入も活用しつつ、加入者、受給待期者と受給者に対して定められた年金給付及び一時金給付を将来にわたって安定的に行うに際して十分な資産を確保するのです。

運用しているところは?

私達が、毎月支払っている公的年金は、「年金積立金管理運用独立行政法人」(GPIF)という 機関投資家 で、運用のプロが運用・管理をしています。

国の公的年金を運用する機関としては、世界最大級です。

GPIFは、機関投資家として責任ある投資をするという金融庁の「日本版スチュワードシップコード」を2014年に受け入れ、2015年には環境、社会、企業統治に配慮したESG投資をする、国連責任投資原則(PRI)に署名しました。

ESG投資は、従来の財務情報だけでなく、環境(Environment)・社会(Social)・ガバナンス(Governance)要素も考慮した投資のことを指します。特に、年金基金など大きな資産を超長期で運用する機関投資家を中心に、企業経営のサステナビリティを評価するという概念が普及し、気候変動などを念頭においた長期的なリスクマネジメントや、企業の新たな収益創出の機会(オポチュニティ)を評価するベンチマークとして、国連持続可能な開発目標(SDGs)と合わせて注目されています。
<出典:経済産業省「ESG投資とは」>

「ESG投資」は、単に社会的意義のある企業をサポートしようというだけではありません。そこには、「今の時代はESG評価が高いほど企業価値も高く、長期的に優れたパフォーマンスが期待できる」という合理的な判断も含まれています。

どのように運用されているのか?

年金積立金は、長期にわたって資産を保有し、債券や株式など複数の資産に分散投資し、安定的に運用されています。
実際に運用を行う場合は、どの資産にどの程度配分するという「資産構成割合」を基本に運用しています。資産構成割合は「ポートフォリオ」ともいいます。

そして、ポートフォリオは、次のようになっています。

国内債券35%、国内株式25%、外国株式25%、外国債券15%となっております。

以前は、運用の6割は国内債券でしたが、2014年10月から現在の基本ポートフォリオになりました。

保険会社も同様に投資のプロにより運用されています。そのため保険商品の中には、保険金の支払いがなく一定期間経過すれば、支払った保険料以上の金額を受け取れるものもあります。

このように、私たちの大切な年金や保険は、将来にわたって安定的に十分な資産を確保するために、資産運用されているのです。