すべての卵を1つののカゴに盛るな

投資の世界には「すべての卵を1のカゴに盛るな」という格言があります。

一つのカゴに卵を盛ると、そのカゴを落とした時に卵が全部割れて台無しになってしまうところから、1つに集中投資しないで分散投資の重要性を説いた言葉です。

「この株は必ず儲かる!」と思っても、全財産を1つの株につぎ込むのはとても危険です。

予想通りいけば大きくお金を増やすことができますが、予想が外れたときは大損をする可能性もあります。

しかし、いろいろな種類の金融商品(株・債券など)を組み合わせたり、銀行で貯金もしたりと、お金をいくつかのカゴに分けることで、リスクを下げることができます。この考え方を「リスク分散」といいます。

株式投資だけをしている場合は、特定の業種へ投資を集中すると、どの業種の株式もおおむね似た値動きになり、値下がりしたときの損失が膨らむ可能性がありますので、値動きの異なる複数の業種の株式を組み合わせて分散投資をすれば、リスクを分散することができます。

ブレ幅を少なくするため

しかし、分散投資の本当の一番の目的は資産価値のブレ幅を少なく抑えることなんです。

ブレ幅というのはリスクです。

人によって10%のリスクで抑えたい、5%のリスクで抑えたい、2%のリスクで抑えたいなど、押さえたい幅は違います。

1つの金融商品ではそのコントロールができないので、複数の商品を、割合を変えて組み合わせることでリスクを調整を行うことできます。

これが分散投資の一番の大事なポイントです。

投資と貯蓄をうまく組み合わせよう

「株は損をするのが怖い」と思っている方もおられると思います。

しかし貯蓄ばかり熱心になるのも、お勧めできません。

確かに貯蓄はお金を「守る」には最適な方法です。

でも、貯蓄だけではなかなかお金は増えず、それどころかお金の価値が下がることも。

それは、インフレといって、モノの値段がどんどん上がっている場合です。モノの値段は上がっても銀行に預けたお金はすぐに増えてはくれません。

しかも、現在の日本の銀行金利は超低金利の時代です。

例えば、普通預金金利は年0.001%、1年物定期預金金利は年0.01%です。

仮に、100万円を1年間預けたとしても、普通預金では10円、定期預金でも100円の利息しか得られません(いずれも税引き前の試算)。

それだけではありません。

こうした金利のまま、仮に日銀が目指す「物価上昇率2%」が実現したなら、預金金利から物価上昇率(インフレ率)を差し引いた実質的な金利は、普通預金では「マイナス1.999%(0.001%-2%)」、定期預金では「マイナス1.99%(0.01%-2%)」になる可能性もあります。

普通預金100万円の場合は、1年後には実質的にはおおよそ1万9,990円、定期預金100万円の場合には同じく1万9,900円目減りする計算になってしまいます(いずれも税引き前の試算)。

これでは一生懸命節約をして貯めたお金を増やすことは、残念ながら難しいといえるでしょう。

そこで、おすすめなのが「3つのお財布で貯める」方法です。

3つのお財布

将来必要になるお金の使う時期や用途に応じて、「使う」「守る」「増やす」という3つのお財布に分散して貯蓄をするというやり方です。

【1つ目のお財布】生活費を入れておく

まずは、生活費の2~3か月分のお金を「普通預金口座」に入れます。

生活費を出し入れするのですから、近所のATMで下ろせる、お給料や報酬の振込口座がよいですね。

1つ目のお財布の特徴は、使い勝手がよい(流動性にすぐれている)こと。短期で使うお金ですから減ってしまっては困りますし、金の延べ棒のように換金性が悪いのも困ります。

この口座には、お金を漠然と入れておかないことが大切です。あれば使ってしまいますし、この低金利ではいくら普通預金の残高が増えても、タンスの中に入れておくのとさほどかわりません。

【2つ目の財布】使用予定資金を入れておく

次に、3~5年以内に使う予定があるお金を、比較的金利の高いネット銀行の「定期預金」や「個人向け国債」などに入れます。

たとえば、「車検の前に車を買い換える」「大学入学のためのお金」「両親の金婚式のお祝いに旅行」「屋根、外壁の塗装」「エアコンの買い換え」「テレビの買い換え」「マイホームの頭金」などのために使うお金です。

このお金は使う時期までお金を減らさないよう、安定的な運用ができる口座に預けましょう。

【3つ目の財布】余裕資金・老後資金を入れておく

最後は、株や投資信託、外貨預金などに入れます。

当面使う予定がなく長期間運用するため5年以上使わないお金になります。

日本人の健康寿命はとても長く「年金だけでは足りない」とされる老後資金を準備するために、「増やす」ことを目的に運用しましょう。

ポイントは、なるべくリスクを抑えながら、着実にリターンを積み上げていく「安定運用」を目指しましょう。