鉱工業生産指数とは

鉱工業製品(約500品目)を生産する国内の事業所における生産の状況等(数量・重量・金額等)を経済産業省が調査し、「鉱工業生産指数」として毎月月末に発表するものです。

鉱工業製品には、鉄鋼、一般機械、電気機器、精密機器、輸送用機器、繊維工業品、紙・パルプ製品、食料品、たばこ、医薬品など数多くの品目が含まれ、国内事業所におけるこれらの製品の生産量を「直近の基準年=100.0」として指数化し、鉱工業生産活動の全体的な水準の推移を把握するなどの目的に用いられています。

また、生産活動の基調判断、生産動向の先行きに関する基調判断、生産動向・設備投資動向分析、国民経済計算(GDP)、月例経済報告景気動向指数、政府経済見通し、全産業活動指数、鉱工業出荷内訳表など、幅広く利活用されています。

この統計の注目度は高く、株式市場や為替市場でも鉱工業生産は景気の動きを示す指標の中で最も重要な指標の一つと見られています。

日本の鉱工業生産指数はアメリカの鉱工業生産指数と違い、2カ月先まで予測が出るため、生産の先行きを見る有力なツールとなります。

(経済産業省 HPより)

鉱工業生産の活用方法

簡単に説明すると、生産が前月より増えていれば、景気は良くなっているし、逆に生産が前月より減少していれば景気は悪化している、と見ることができます。

もちろん、生産の動きを見るに際しては、1、2カ月の短期的な動きではなく、数ヵ月の動きを見ることが大切です。

上記の経済産業省のHPから引用した統計表ですが、東日本大震災(2011年3月11日)発生時には共に大幅に下方修正されました。

しかし、その後は逆に大きく上方修正されました。

製造業は日本のGDPの2割弱を占める基幹産業です。

しかし近年、生産拠点の海外展開や一部業種における競争構造の大きな変革等に伴ってGDP比率は低下しています。

そのため製造業は景気に及ぼす重要性は落ちているという有力な意見もありますが、約8割を占める非製造業(生産した製品を販売する小売業や、価値を提供するサービス業など)に比べて製造業の数字ははるかに景気感応度の高い指標です。

また、製品の輸出を通じて海外景気、株式市場、為替レートなどにも敏感に反応するため、景気動向指数の一致指数に組み込まれています。

このように景気の循環的な動きをいち早く捉えることができる点であることから、政府や民間のエコノミストが景気判断にあたって参考にする有力な根拠の一つが鉱工業生産の動きであることは、理解できると思います。

しかし過去には、景気の山と谷が生産の山と谷から大きく乖離が生じることも少なくありません。

翌月の生産の数字はこの予測の数字と大きく異なっていることもあるため、内閣府や民間のエコノミストにとって生産の将来の動きを正しく見通すことがそう簡単なことではないのです。

この指数は、鉱工業の生産動向を把握することはもとより、その製品が最終需要財 として使われるのか、あるいは生産財として使われるのかなど、財に関連する経済活 動の動きを通して経済全体の動きをつかむためにも活用されています。

鉱工業生産指数が経済全体の動きを見る上でなぜ重要な指標と言えるでしょう。